たったひとつの魔法を、あなたのために。
もし、この世界で一度だけ
魔法を使えるとしたら。
あなたは、何を願いますか?
叶わなかった夢でしょうか。
もう一度会いたい人でしょうか。
それとも、好きな人に
自分を好きになってもらうことでしょうか。
『Magic Moon』は、
そんな小さな問いかけから生まれた、
ひとつの愛の物語です。
この物語の主人公には、
たったひとつだけ魔法が与えられます。
どんな奇跡だって起こせるかもしれない。
自分の未来を変えることも、
叶わない恋を叶えることも
できるかもしれません。
けれど、彼女はその魔法を
自分のためには使いません。
大好きな人のために、
ずっと取っておこうと決めたのです。
たとえ、その人が
自分ではない誰かを愛していても。
たとえ、どれほど願っても
振り向いてもらえなかったとしても。
彼女には、ひとつだけ
決して変えたくないものがありました。
それは、相手の心です。
魔法で誰かの気持ちを変えれば、
望んでいた未来が
手に入るのかもしれません。
けれど、それは本当に
その人の幸せなのでしょうか。
好きだからこそ、
自分を選んでほしい。
その気持ちは、きっと誰にでもあります。
それでも彼女は、
相手が自分の意志で選んだ未来を
大切にしたいと願いました。
「好き」に魔法は使わない。
この言葉には、
彼女の切なさと優しさ、
そして強さを込めています。
物語の中で、
大切な人はやがて遠くへ飛び立ちます。
もう一度会うことだって、
時間を巻き戻すことだって、
魔法ならできるかもしれません。
それでも彼女は、
願いを叶えないまま待ち続けます。
自分の寂しさを埋めるためではなく、
いつか、その人が本当に
叶えたい願いを見つけたときのために。
私は、誰かを愛することは、
必ずしも一緒にいることや、
想いが報われることだけではないと
思っています。
自分が隣にいられなくても、
その人が笑っていてくれたら。
自分の知らない場所であっても、
幸せに過ごしていてくれたら。
そんなふうに願う愛も、
きっとあるのではないでしょうか。
もちろん、
自分の幸せを後回しにすることが
正しいというわけではありません。
ただ、この物語の彼女にとっては、
大切な人の自由な心を守ることが、
自分の愛を守ることでもあったのです。
そして最後に、彼女は願います。
「キミが選んだその願いを
私の魔法で叶えたい」
この物語で一番伝えたかったのは、
この想いでした。
自分を好きになってほしいのではなく、
自分が好きになった人に
幸せになってほしい。
その願いが、
自分とは関係のない未来へ
続いていたとしても。
たったひとつの魔法を、
最後までその人のために残しておく。
それは、とても切なくて、
とても優しい愛の形だと思います。
『Magic Moon』を聴いてくださった方が、
それぞれの大切な誰かを
思い浮かべてくださったら嬉しいです。
そして、もし本当に
一度だけ魔法が使えるとしたら。
あなたは、その魔法を
誰のために使いますか?
4Rabbit — Magic Moon
